うつ病が今より辛かった頃。
とにかくよく「自分はダメだ」と思っていました。
よく、というよりもベースにその思いがあった気がします。
今思うと、「自分はダメだ」の結論が先にきていて、何かうまくいかなければ「ほら、やっぱり私はダメだ」と自分を責めてように思います。
本日は、自分はダメだ思考の側面と対策について書きたいと思います。
文中に何度も「自分はダメだ」というワードを書いておりますので、それを読んでもし辛くなりそう…と思われる方は、回れ右してスルーしていただけたら、と思います。
目次
うつ病は、脳の機能障害だと思っています。
ですので、頭が働かなかったり、身体が重かったり、心が苦しかったり、様々な症状が出るのだと思います。
「自分はダメだ」と、うつ病になる以前から思いやすい傾向がありましたが(それもうつ病になった要因の一つかも)、うつ病になってからのその思いの強さはかなり強いものでした。
途中からは「自分はダメだ」という思いが先にあって、理由付けのようにダメなところを見つけては「やっぱりダメだ」と思っていた部分もあるように思います。
「自分はダメだ」の2つの側面
うつ病になってからの「自分はダメだ」思考には、2つの側面があると思っています。
1つめは、うつ病によりマイナス思考になっているため、「自分はダメだ」と思うこと。
もう1つは、うつ病により頭が働かなかったり体が思うように動かないため、何かが出来ないことにより「自分はダメだ」と思うこと。
このダブルパンチです。
めった打ちです。
「前向きにいいところを見よう」なんて気力は不足しているため、打ち返すこともできませんでした。
2つの側面に共通
この2つの「自分はダメだ」に共通するのは、どちらもうつ病により起こっているということ。
あなたがダメなのではなく、うつ病により「自分はダメだ」と思ってしまっている、ということです。
うつ病が辛い時には、自分はダメだということが紛れもない事実に感じてしまうのが怖いところですが、脳がエラーを起こしている、ということは、自分が思う「自分はダメだ」も、信頼のおけるものではありません。
かなり「自分はダメだ」に寄った思考になっていると思います。
自分をダメだと思った時
うつ病が辛い時は、脳がエラーを起こしているので、誰かが「あなたはこんなにいいところがあるよ」と言ってくれても、なかなか受け付けることができませんでした。
うつ病が辛い状態の時でなければ、「あぁ、私にも中にはそういういい面もあるのかな」なんて思えて、少し前向きになれたりすることも、うつ病が辛い時にはなぜだか受け付けず、「そんなことないよ、私はこんなにダメなんだよ」と、自分がいかにダメであるかを相手に伝えたい気持ちになりました。
主治医に「物事には必ずいい面と悪い面があるんだよ。『明るい』が長所だとしても、時には『うるさい』になるかもしれない。」と言われても、「そうかもしれませんが、私はダメなんです…」と言っていました。
そんな、自分はダメだ思考の対策を考えてみます。
対策1.うつ病で脳が暴走している、と思う
先ほどの2つの側面の1つ目、うつ病によりマイナス思考になっている場合には、「うつ病で脳が暴走している」と思うのもいいかもしれません。
元気な時とは脳の状態が違うことを心に留め、「あぁ、また脳がマイナスに暴走している」「今日はなかなか激しく暴走している」と、うつ病によって脳が勝手に自分はダメだ思考を発生していると思えると、少し冷静になれる場合があるのでは、と思います。
対策2.うつ病が良くなればできるようになる、今は出来ないだけ
うつ病により頭が働かなかったり体が思うように動かず、何かが出来ないことで「自分はダメだ」と思う場合には、「うつ病が良くなればできるようになる、今は出来ないだけ」と思うのがいいかもしれません。
実際にそうなのです。
今はうつ病の症状が重くて、出来ないだけなのです。
うつ病が辛い時には、今出来ないということが情けなく辛い気持ちになったりしますが、病気の時に色々なことが出来なくなるのはうつ病に限らずだと思います。
病気なのだから、出来なくても仕方がない。
病気を患っている自分を受け止めて、今出来ないことも自分で許してあげるといいのでは、と思います。
うつ病が辛かった頃、母が言ってくれた言葉があります。
「病気を恥じることはない」
病気である自分を、優しく受け止めてまいりましょう。
対策3.変えていく
「自分はダメだ」思考の2つの側面ではない、私はうつ病に関係なくこんなにダメなんだ、と思った方、いらっしゃいますでしょうか。
変えられることは、変えていけばいいのだと思います。
人は、変わらない性質や本質のようなものはあるかもしれないけれど、経験などから変わっていくことが出来る、と私は思っています。
何かの本で、「自分自身が狭量だと気づいても、その悪弊が出ないように注意するだけで十分」とありました。
何か自分が自分でダメだと思う癖が出てしまいそうな時、一呼吸置いて、言葉や行動を選ぶことが出来ればいいのではないでしょうか。
もしそれでもやってしまったら、すぐに気づき謝ることが出来れば、大きなダメージをお互いに負うことはないのでは、と思います。
変えられることは変えていき、それが難しいことは対策をして心がけていく。
そんな風に過ごしていこうと思っています。
ただ、うつ病がものすごく辛い状況の時には、辛過ぎてどうこう意識できないかもしれません。
そんな時は、自分がダメだと思うことは変えていけばいいのだと心に留め、「少しずつ活動できるようになったら変えていこう」と思い、今はただただ休養することに専念するのがいいのでは、と思います。
対策番外編.今の自分ができることをできるだけやる
あとは、人や過去の自分と比較して「自分はダメだ」と思う場合があると思います。
人も過去も関係がなくて、「今の自分ができることをできるだけ」やれたらいいのだと思うようになりました。
親や祖母を見ていると、歳をとってできなくなることもあります。
子どもの時には、幼いからできなかったこともあります。
子どもの頃から、国語が得意な子もいれば、体育が得意な子がいたように、人それぞれ得意不得意もあります。
歳も個性も体調も能力も人それぞれだしその時々だから、「今の自分ができることをできるだけ」がいいのかな、と思っています。
※何も出来ないような体調がものすごく悪い時には、とにかく休養いたしましょう。
おわりに
自己啓発本などに「自分の長所を挙げる」というものがあります。
それがうまく合い、少しでも気持ちが落ち着くのであればそれもいいと思います。
私の場合は「私なんていいところなんかない」という思考だったため、長所を見つけ出すというやり方は当時うまくいきませんでした。
うつ病が辛い時の「自分はダメだ」思考は強力なものがあるけれど、「うつ病によって強力になっている」ということを心に留めておくと、少し心が落ち着き冷静になれるかもしれません。