うつ病になり料理が困難になってやっていなかったけれど、1品から始めてみようと思う、と以前書きました。
先日、トライしてみました。
そうしたら、「初めてのおつかい」(テレビでたまにやってますよね、小さな子が初めておつかいに行く番組です)ならぬ、「初めての料理」感がすごかったです。
その時の話です。
何を作るか、主婦時代に購入した料理本を見ながら考えていました。
- 家族が好みそうなもの
- 手順が多くなく、また時間もあまりかからないもの
「初めての料理」感がすごかった
ある日の夜ご飯に作ることになっていたのですが、3時過ぎくらいからソワソワ。
緊張も感じました。
レシピ本を見て手順を確認し、頭でイメージ。
さあーーーーやってみるぞーーーー
と、エプロンをかけ、取り掛かりました。
感想を一言。
「初めての料理感がすごい」
玉ねぎのみじん切りに関しては身体で覚えている感じがあったけれど(と言ってもスピードは遅い)、久しぶりの料理は初めてのような新鮮さがありました。
これ、何かの感じだ、「初めてのおつかいだー!」と思いました。
出来上がった時の歓びもひとしお。
料理って、色んな神経を使うのだと改めて痛感しました。
包丁を使う際には手を切らないよう、気を付ける。大きさにも気をかける。
揚げ物を揚げる際には、色や音、泡の変化に注意する。
塩コショウの際には、「こんなもんかな」という感覚がいる。
盛り付けのバランスを見る。
そして、手順や段取り。
何を先にやっておくかとか、調理器具を出しておくだとか、頭を使います。
少し前だと料理をしたら辛さを感じてぐったりしていたと思うけれど、疲れを感じるもぐったりまではいかず、1品作ることが出来ました。
「やってみようかな」を待つ
「やってみようかな、やれそうかも」と自然に気持ちが湧いてくるまで、待っていてよかったと思います。
じっくり休養して少しずつ回復していくと、階段を一段一段上るように出来ることが増えていく。
その階段は、人によって異なると思います。
誰かは割と先に出来るようになることが、人によっては順番が違って後になることも中にはあると思います。
うつ病が十人十色のように、回復の過程も十人十色。
色々なことの機が熟す時を待ちながら、じっくり過ごすのがいいのでは、と思っています。
次は何が大丈夫になるのかな~?と少し面白がりながら。
自分のコーチのように
うつ病である自分を観察していると、「あ~これはまだ無理だな」とか、「これは大丈夫になってきたな」と気づきます。
自分に負荷をかけ過ぎない程度かどうか、考えながらやっている感じがします。
まるで自分が自分のコーチであるように、今の自分への負荷が適正か見守っています。
この感覚も、うつ病になったからこそ知れたことでした。
それまでの私は、自分の状態を度外視して暴走している感じでした。
目の前に来たハードルは「飛ばなければいけない」と思っていました。
「今の自分には飛べない」と、ハードルを断念することや下げることも大切なことだとわかりました。
うつ病はかなり辛かったので(現在も続行中ですが)、「うつ病になってよかった」とまでは言い切れない自分がいますが、うつ病になって気づいたこと、知ったこと、学んだこと、理解したことがあります。
私にとっては、必要な経験だったんだなぁという気がしてならないです。
おわりに
うつ病から回復していく過程で出来るようになることには、新鮮さがあります。
前にも書いた気がするけれど、赤ちゃんが初めて立ったとか言葉を発したとか、それに近しいと思われる喜びがあります。
大人になって元気に過ごしていると、なかなかこういう感覚を味わうことは少ないと思います。
こんな感覚を味わえるのは貴重なこと。
それと同時に、何気なく楽しんでいたりやれていたことがどれだけ有難いことだったか思い知って、以前よりもじっくり味わい、過ごすようになりました。
台風や地震と、自然の猛威を感じるこの頃。
災害でも病気でも
大変な状況にある方が、少しでも早く日常を取り戻していけますように…