うつ病が辛かった頃には微動だにしない状態だった心。
何かを見ても触れても、心が動きませんでした。
うつ病回復期を過ごして行く中で、何かを見た時に少しずつ心が反応するようになっていきました。
初めは気づかないくらい些細な心の動き。
「あ、綺麗…かも」ぐらいの、本当にささやかなもの。
そのささやかな心の動きを大切にして、自分の心が反応するものに触れていくと、
少しずつですが回復が進み、心もより動くようになっていきました。
人によって、どういうものが効くかは異なるように思いますが、
私の場合は「綺麗なもの」と「かわいいもの」が心に効きました。
目次
綺麗なものや美しいもの
私の場合、「綺麗なもの」「美しいもの」を見ると心が動いていきました。
例えば
- 風景
- 花や植物
- 絵
- 歌声や音楽の奏で
- 人
- 写真
- 建物
といったものの美しさや綺麗さに触れると、心にじわっと響き、効きました。
今でもそうで、疲れてきた時、そうしたものに触れる時間を大切にしています。
先日、疲れているなという感覚があった時、
夜寝る前にお気に入りの写真集をめくり写真の世界観に浸ったら、
翌朝疲れがかなり楽になっておりました。
かわいいもの
また、美しいものと同様に、かわいいものも心をほぐしてくれました。
例えば
- 動物
- こども
- 花
- 小物や雑貨
などです。
「かわいいな~」と思うと、心がにっこりとほころぶ感じがありました。
動物は飼っていないので、街中を歩いている時に犬に遭遇するとチラッと見て目尻を下げています。
子どもも、街中で出会うと笑顔に。
目が合って笑顔を向けてくれた時には、もう、きゅんと心がなります。
うつ病が今よりもずっと辛くてほぼ心が動かなかった頃、ショッピングセンターでイラストレーターの村田なつかさんのポストカードに出合いました。
見た瞬間、「かわいいな」と心が動いた感覚がありました。
家でも見たいな、買いたいな、と思ったのだけれど、無職故150円を使うことにもどうしようかとしばらくその場に留まりました。
時間を置き、じっくり考えて、「やっぱり、これは私に必要だ」と思い購入。
夜寝る前に度々見つめては「かわいいな~」と顔をほころばせていました。
今も、「見たいな」と思った時には見つめています。
あなたにとっての、心に効くものを
私の場合は、「綺麗なもの、美しいもの」「かわいいもの」が心に響きましたが、
人によって何が心に効くかは異なるかもしれません。
男性であれば「かっこいいもの」かもしれないですし、
「美味しいもの」が心をふわっとさせてくれるかもしれません。
何か、少しでも心が反応したら、そのものに触れる時間を味わって大切に過ごすと、
心が満たされたり、じわっと温まったり、少し笑顔になれるのでは、と思います。
うつ病の回復過程は、体感としては、段々と雪解けの面積が広がって行くような感覚を持っています。
初めは、少し、雪が解ける。
その少しのきっかけになるような、ささやかな心の動きを大切にして触れていくと、
段々と雪解けの面積が広がり、植物も顔を出してきて、他のことにも感覚が動いてくるような感じです。
主治医にも「興味を持ったことから始める」ということを言われていたのですが、
本当にそうだ、と思います。
今まだ何にも心が反応しない…という方は、準備出来て心が動き始めてくれる時をじっくりと休んで待ちながら。
少しずつ反応が感じられる方は、そうした時間を大切にしながら。
うつ病の回復過程を過ごして行くといいのかな、と思っています。
おわりに
人によって、どんなものが効くかは異なると思うけれど、
自分の五感が少しでも「素敵だな」「綺麗だな」「かわいいな」「美味しいな」「心地いいな」など、喜びの反応を示した感触があったら、
それをじっくりと味わうといいのでは、と思っています。
今、何にも反応しなくても、ゆっくり休んでいると、少しずつですがきっと感覚が動いてくるはずです。
何も感じられない時、恐怖に似た感覚に陥るかもしれませんが(私はなりました…)、
「今は」感じられないだけで、その時が来たらちゃんと動いてくれるのだと思います。
感覚が消滅してしまったわけではありません。
今は休憩中なだけなのです。
休憩している場合ではない!と思うかもしれませんが、
今はとにかく無理はせずに、心身をゆっくりと休めましょう。
こちらは雨が降っていてかなり蒸し暑いです。
体に負担のある季節ですが、皆さま体調大事にお過ごしください。
お読み下さって、ありがとうございました^^