うつ病で一時は本を読むことが出来なくなっていたけれど、読めるようになってから、以前よりもいっそう本を好きになりました。
エッセイは一話完結でひとつの話が短めなので、うつ病のかなり辛い時期を過ぎて本を読めるようになってきた時、読みやすいように思います。
今回は、少し気が早いかもしれないけれど、2018年に読んだエッセイを3冊ご紹介させてください。
Lily ー日々のカケラー 石田ゆり子さん
初め図書館で借りて読んでいたのですが、途中で「もうこれ買う!」と思った本です。
石田さんの紡ぐ言葉のリズムが心地よく、日常を丁寧に過ごし、ものや動物に愛情を注いで接していらっしゃる様子が感じられました。
柔らかさの中に、スッと筋の通ったような凜としたお姿も伝わってきました。
「本はともだち」の文章にうんうん頷きながら共感。
本好きの方はきっとそうなるのでは、と思います。
写真も美しくて、パラパラと見ても楽しめます。
いつ読んでもいいと思うけれど、温かい飲み物を飲みながらほっと読んだり、寝る前にページをめくりたくなる1冊です。
社会人大学人見知り学部卒業見込み 若林恭正さん
ご存知、お笑い芸人オードリーの若林さんの本。
こちらはネガティブ思考に陥ったことのある人や、日ごろ私ネガティブだわ~と思う人には共感したり勉強になることがあるのでは、と思います。
さすがお笑い芸人さん、読んでいて何度も声を出して笑ってしまいました。
(外出先で読む場合は注意です)
笑いだけではなく、ホロリとしたり、ぐっと心に響いたり、そうだよねと頷いたり、様々な思いが沸き上がった本でした。
わたしを幸せにする41のルール 神崎恵さん
胸が一杯になりながら、一言一言噛みしめて拝読しました。
その時の私に、大切で必要な本でした。
心に響いたことはたくさんあるけれど、
病気を患い遠回りをしていて「遠回りをしているからこそ見える景色がある」と思っている最中、
遠回り主義でいる
遠回りすることで見えるものがある。
一本道、しかも最短距離でたどり着きたいところへ着くことも素晴らしいかもしれないけれど、遠回りで歩いた距離の分、見える景色や発見、感じるものは多くなります。
それが心を豊かに満たし、そして生きるうえでの大きな武器になる。
この言葉を読んで、「あぁ、遠回りしていてもいいんだな」と寄り添ってもらえました。
それから月日が少し経った今、こうして療養している中で色々なことを知り、学び、感じることができていて、うつ病というまわり道をしているからこそ知り得たり学べたり出会えたことだなぁとしみじみ思います。
よく言われるけれど「人生に無駄なことはない」という言葉を本当にそうかも、と感じています。
おわりに
本を読めることがどれだけ幸せなことかも、うつ病になったから知れたこと。
その幸せを噛みしめるからか、響き方が以前と異なる気がしています。
うつ病で本を読めなくなっている方は、焦らず、じっくり休養しているとまた読める時がくるはずです。
(私は焦って無理やり読んで、さらに焦ってしまいました…)
本を読めるようになった時、きっと素敵な出会いがあるはず。
その時を先のお楽しみにとっておいて、今はとにかくゆっくり、休養するのがいいのでは、と思います。
今でも、これから先でも、その時のあなたにとって響く大切な1冊に出会えますように。
今週のお題「読書の秋」