うつ女ブログ

うつ病からリハビリ期へ。自分を労わりながら社会復帰していく雑記。

「働けることが偉いわけではないんだよ」という主治医の言葉とベーシックインカム(BI)の記事について。

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 うつ病になって働くことが難しくなり、以前私は自分を責めていました。

「働けない自分はダメだ」と思っていました。

 

今回は、「働けることが偉いわけではないんだよ」という主治医の言葉と、先日新聞で読んだベーシックインカムの記事について書きたいと思います。

 

 

2018年8月14日の朝日新聞に、経済学者の井上智洋さんのお話が載っていました。

 

内容を要約すると、

AIの普及により人の仕事が減っていくから、最低限の生活費「ベーシックインカム(BI)」を全ての人々に一律に普及するのがふさわしい、ということ。

 

彼は、

もし今すぐ導入するなら、1人月7万くらいが妥当かと思います。

 

とおっしゃっています。

 

ベーシックインカムの話は以前、テレビでも見ました。

勤労意欲を失くす人はいないだろうかと懸念がありますが、病気などの事情があって働けない身にとって、もし導入されたら有難い、と率直に思いました。

 

失業保険があっても、働ける状態にあることが前提で、病気の時は受け取ることが出来ない。

傷病手当は有難い制度だけれど、会社を辞めてしまった場合はどうにもならない。

 

会社を辞めた場合、頭を悩ますことがあります。

精神障碍者認定で給付金がもらえる制度や生活保護はありますが、病気療養で仕事が出来ない場合の補助といったものに心当たりがなく…

また会社に所属し傷病手当をもらえていても、期間が存在します。

そういった状況から、「早く働かないと」と焦りに繋がってしまう場合もあります。

 

もしベーシックインカムがあれば、落ち着いて療養や治療に取り組みやすいように思います。

 

 

 

彼は、後半、こんなことを言われています。

 

いま働いている人は、たまたま労働意欲や能力に恵まれてラッキーってことですよ。

 

同性カップルを念頭に『生産性がない』と寄稿した)杉田衆院議員や、相模原の障がい者殺傷事件。働くことこそが人間の義務であり、それを果たしていない人はダメだ、という見方と共通の背景を感じます。

 

働く以外にも素晴らしいことはあるし、生きているだけで尊いという価値観に変えていかないといけないんですよ。

 

 

私は以前、うつ病になり働けないという現実を受け止めることが出来ませんでした。

働けない自分はダメだ。

そう思っていました。

 

そんな私に、主治医が言って下さった言葉があります。

「働けることが偉いわけではないんだよ」

 

人に対しては、「病気を患っていたら働けなくても仕方ないよ。今はゆっくり休養の時だよ」と思うのに、自分に対しては「働けない自分はダメだ」と思っていました。

矛盾です。

 

 

世の中には「働かざる者食うべからず」なんて言葉もありますし、日本の憲法には勤労の義務もある。

そういった中に生きているので、「働けない」ということに情けなさや申し訳なさ、罪悪感や自責の念が起こりやすいのだと思います。

 

病気で働けないのは仕方のないこと。

それを自分に対しても思えるようになり、心の負担が減りました。

 

 

 

以前、がん患者の方に関する新聞記事を見たのですが、治療をしながら仕事を続ける大変さ、会社や周りの理解について書かれていました。

これは、がんを患う方だけでなく、うつ病でも他の病気でも同じこと。

自分が病気でなくとも、家族が病気だったり介護が必要な状態でも当てはまることだと思います。

 

そういった場合に、フレキシブルな仕組みがあってほしい。

会社としては難しい面があると思うけれど、あらゆる状況にある人が働くことを続けやすい環境にしていってほしい。

そういう社会になっていってほしい。

 

そう思いました。

 

 

 

おわりに

誰しもが何らかの病気にかかる可能性がある。

 

その前提を持って、生きづらさを抱えずに生きていきやすい社会になっていってほしいと思います。

 

病気を患い働けないことに様々な感情が湧きおこることがあると思うけれど、病気で働けないのは仕方がないということを心に留め、また働けるようになったらお返ししていこう、と思えたらいいのでは、と思っています。

 

 

秋の気配を感じるこの頃。

夏の疲れが出たり、急激な変化で体調を崩しがちな方もみえるかもしれません。

お互いに無理をせず、過ごして参りましょう。