うつ病は、波がありながら少しずつ回復していきます。
回復していく中で、自分が今、どのくらいの状態なのか把握することは、とても大切だと感じています。
自分を客観的に、第三者的に、俯瞰して、「あ~今、私はこういう状態なんだな」「今はまだこれが難しいんだな」と知る。
幽体離脱して自分を眺めているような、映画のスクリーンで自分を見ているような感覚で。
そうすると落ち着くし、自分の状態を受け止められるように思います。
「今の私の回復レベルはここだな」と現在地を知れます。
そして、そこから、今の自分に出来ること、「やってみたいな、やれそうかも」と思ったことをやってみる。
自分の状態を把握しているので、あまり無理することなく過ごせる気がします。
山登りと同じように
自分の現在地を把握して、ついゴールを見てしまうと、うつ病回復までの道のりの長さに「まだまだだな」と思ってしまう可能性があります。
(私はそれで何度かへこみました)
なので、現在地を把握したら、あとは一歩一歩、足元を見て出来る事をしていくのがいいのでは、と思っています。
山登りについて聞いたことがあるのですが、山の頂上を見るとその遠さに「あんなに遠くまで」と思ってしまうけれど、一歩一歩進んでいくと、いつの間にか頂上に着いている、と。
うつ病回復までの道のりも、同じように、一歩一歩、たまに三歩進んで二歩下がることもありながら、一歩も進まず立ち止まることもありながら、ゆっくりと歩んでいくのがいいのかなぁと思います。
バトミントンの奥原希望選手
この冬偶然、テレビでバトミントンの奥原希望選手の番組を見ました。
調べたところ、おそらく「アキレアの橋」という番組でした。
大きな怪我をされて、そこから復帰しようとしていく中で、
「目の前を見つめてやっていった」というようなことを言われていました。
(正確な言葉は覚えていなくて、申し訳ありません)
オリンピック選手とはだいぶ立場が違うので畏れ多いのですが、病気や怪我から復帰していく過程というのは、種類が違えど似たところもあるように思います。
病気や怪我をして、今まで出来ていたことが出来なくなる。
ショックを受けて、焦りも生じたりする。
病気や怪我を受け止める。
状態がひどい時はじっと休養して、少しずつ動けるようになってきたら今の状態で出来ることをしていく。
目の前を見つめて、一歩一歩。
そんなことを考えながらテレビを見つめ、奥原さんの言葉に頷き、涙しました。
おわりに
今の自分の状態を把握して、目の前を見て一歩一歩、出来ることをしていく。
一歩一歩進んでいくのに、この「自分の状態を把握する」というのが大切になってくると思うのです。
私は今よりうつ病が辛かった頃、自分の状態を冷静に見ることが出来ず、無理をしたり心に負荷をかけていました。
その迷走ぶりたるや・・・休養が必要な時に、逆に負担をかけている面があったと思います。
自分の状態を客観的に見つめられるようになってくるに従い、腹が座るというか気持ちが落ち着いてきて、無理もしなくなったように思います。
うつ病が少しずつ回復してきている方は一歩一歩。
まだ辛い状態の方は、じっと休養して少しずつ動き出せる時を今は待ちながら。
ゆっくり、過ごしていくことにいたしましょう。